現代医学と中医学では体に対する概念が全く違う為、現代医学に在る内臓が中医学には無かったり、逆に、現代医学には無い内臓が中医学には在ったりします。
今回ご紹介する「三焦(さんしょう)」もそんな内臓の1つで、現代医学では存在しません。
三焦とは五臓六腑の腑に属し、「上焦」「中焦」「下焦」の総称であります。上焦とは口と横隔膜の間、中焦とは横隔膜とヘソの間、下焦とはヘソから下を指します。しかし、三焦は他の腑とは違い、物質的に存在しておらず、あくまでも働きとして捉えています。
三焦の主な働きは、気や水(津液)の通り道で、気や水の運行を支えております。その為、三焦が失調してしまうと、気や水の運行に障害がおよび、尿量が減少したり、むくみが生じたり、発汗に異常が現れたりします。
また、気や水は全身を巡り各臓器に行き渡るので、三焦の失調は他の臓器の働きにも影響がお及び、様々な症状が現れます。