神(神明)とは

 「神(しん)」は中医学独特の概念で、精神・思惟・思考活動を統括するもので、広義的な概念と狭義的な概念があります。

広義の「神」は、精神・知覚・感情・運動といった全ての生理活動を体外に表すものとされていて、「神」と「体」は一体となっております。もし「神」が無くなれば死を意味にします。

それに対して、狭義の「神」は精神活動を統括するもので、「神明(しんめい)」ともいわれます。

現代医学では精神活動は脳によって行われますが、中医学では脳だけではなく、この「神」によって統括されます。

「神」は五臓の心(しん)(現代医学の心臓に近いものです)に蔵されております。

皆さんもご存じのように、心臓は胸にあるで、昔から、精神状態を現す時に「胸が痛い」「胸が張り裂けそう」或は「胸に手をあててよく考えろ」などと、胸が使われるのです。

 

 さて、この「神」ですが、心に蔵され、心血や後天の精により栄養され、心気や肝によってコントロールや調節をされております。

これらの活動が正常であれば、「神」は精神活動を順調に統括し、正常な精神状態を保っていられます。

ところが、心や肝の機能が低下したり、心血が不足したり、或は、血や後天の精を作る脾や腎が不調となると、「神」が栄養やコントロールを失い、夢が多くなったり、不眠・健忘・イライラ・鬱、などの様々な精神症状が現れてしまいます。

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