浜田山の鍼灸院

【秋の養生法 】


 

 

中医学の考え方の1つに「天人合一」というものがあります。

これは人間も自然の一部であるという考えで、自然界の変化と同様に体調も変化するとう思想です。

ですから、秋は空気が乾燥するので、体も乾燥しがちになります。

又、中医学では肺はとてもデリケートで、乾燥に弱い臓器といわれております。

中医学の肺は、呼吸だけではなく、肌や喉を潤したり、風邪などのウイルスから体を守るといった働きがあります。

秋の乾燥した空気は肺の働きを弱めてしまい、風邪、肌や喉の乾燥、便秘などを引き起こすだけでなく、アトピーや鼻炎などのアレルギー疾患をも悪化させてしまいます。

更に、秋は植物も徐々に枯れ始め枝葉が落ちるのと同様に、気分も沈みがちになってしまいます。

 

そこで、秋の養生のポイントは、下記の3点です。

①   乾燥から身や肺を守る  

②   気分の落ち込みに注意  

③   冬に備えて免疫力を高める 

 

①   乾燥から身や肺を守る

喉が乾燥すると風邪もひきやすくなってしまうので、加湿器や濡らしたタオルなどを使い部屋の中を乾燥させないようにしましょう。

お茶などの温かい飲み物を飲む時は大きめのカップを使い、湿気を喉の奥まで吸い込むとよいでしょう。

又、秋は体を潤す効果のあるフルーツが沢山出回りますので、折角ですから水分補給は秋の果物で補いましょう。

そして、この時季のお肌は、夏の紫外線・秋の乾燥で痛んでいます。

ビタミンA・C類を摂り、内からもケアをしてあげて下さい。

美肌効果があるお茶としては、中国茶の玫瑰花茶(メイグイホワチャ)が、ビタミンCが豊富で、美肌効果がるといわれております。味にくせもなく、やさしい香りのお茶です。紅茶にブレンドされる方もおられます。

 

乾燥予防のツボは内くるぶしから、指3本上でアキレス腱と骨の間にある溝の中を痛気持ちいい位の力で押しましょう。

 

 

②気分の落ち込みに注意 

秋はなんとなく淋しくなったりと、ついつい気分が落ち込む季節です。

気分が落ち込むと体中の気の流れも悪くなってしまいます。

簡単に誰にでも出来る養生法としては、深呼吸があります。

深呼吸は気の流れをよくしてくれます。

もし出来れば、公園や自然の中の出来るだけ空気の綺麗な所で深呼吸をすると更に効果が増します。

又、深呼吸は呼吸器を鍛える事にもなりますので、肺が弱まるこの時季には是非行って頂きたい養生法の1つです。

他には、泣き笑いも気の流れをよくしてくれます。

しかし、気分が落ち込んでいる時になかなか笑いは出てこないので、ドラマや映画に感情移入して、思い切り泣いてしまいましょう。

又、歌を歌うのも気が流れます。カラオケ・お風呂で鼻歌など、歌を歌って気分を紛らわすのも方法の1つです。

中医学では気は体内と外とを行き来していると考えています。深呼吸や大きな声を出したり、涙を流すと、体の中と外との気の出入りの促進につながり気の流れがよくなり、ふさぎ込んだ気分をスッキリさせてくれます。

ちょっと落ち込んだ時には、是非実行してみて下さい。

好き嫌いはあると思いますが、コーヒーは気持ちを高め不安や眠気をとる効果があります。

わけもない不安感に襲われた時などお試し下さい。

因みに、コーヒーは利尿作用があるので、二日酔いにも効果があるといわれています。

又、気分が落ち込むと、体が冷えたり、血行が悪くなってしまう場合もあります。先程ご紹介した玫瑰花茶は体を温め血行をよくしてくれますので、気分を明るくして元気を出してくれ、更に美肌効果も期待できる、秋にはもってこいのお茶かもしれませんね。

 

中医学の古典では、秋は早寝早起きをして安定した生活を送るように書かれています。

秋は心身ともに愉快で安定した気持ちで過ごしましょう。

 

③冬に備えて免疫力を高める

免疫力は胃腸の働きを活発にすることで向上します。

胃腸については「秋口の養生」で紹介いたしましたので、そちらやこの後紹介します「秋の食養生」を参考に胃腸を整え免疫力向上に努めて下さい。

又、植物や動物を見ているとわかると思いますが、秋は来たるべき冬に備えて体力やエネルギーを溜めこむ季節です。

運動の秋とはいいますが、過度の運動は体内のエネルギーを放出してしまいます。

一般の方は運動後に少し汗をかいて、体がぽかぽかし、爽快感を得る程度に抑えましょう。

 

※その他の注意事項

この季節は寒暖の差が激しいので、外室の際は細目に衣類で上手に調節をして体調管理に努めて下さい。

薄着でも風邪をひきますし、厚着でも汗をかいて風邪をひいてしまいます。注意して下さい。

 

※※ 秋の食養生 ※※

自然界では夏と冬の間の秋は陰陽が入れ替わる重要な時期です。

人間も秋は夏の疲れをとり、冬を迎える準備をする重要な季節にあたります。

過ごしやすいこの季節にしっかり身体を整えておきましょう。

そこでこのコーナーでは、秋の食養生を紹介しましょう。

 

=中医薬膳的 秋の食材選び=

中医学では一言に秋と言っても初秋と晩秋とでは気候の性質が違う為、治療法や養生法に若干の違いがあります。

◎初秋

初秋は夏の残暑と秋の乾燥が混ざっているので「温燥」の季節といわれます。

この時期は未だ夏の暑さが残っているところに、秋の乾燥が加わるので、熱を収め、更に潤いを与えてくれる食材がおすすめです。中医薬膳では、甘味・苦味の食材で更に涼性のものが、熱を収め、潤いを増してくれる作用があるといわれます。おすすめの食材としては、あわ・れんこん・きゅうり・トマト・松の実・白ごま・黒ごま・柿・びわ・りんご・梨・牛乳・卵・豆腐・貝類、など。また、白色の食材は体内を潤すと考えております。

逆に、生姜・にんにく・唐辛子などの刺激の強い食材は、体を乾燥させてしまいますので控えた方がよいでしょう。

◎晩秋

秋の終わりは冬が近づくので、冬の寒気が強まり、「温燥」から「冷燥」に変わります。この時期は、辛味・酸味で温性の食材がおすすめです。これらの食材は、肺を温めながら潤いを与えてくれる作用があります。

おすすめの食材としては、米・もち米・うるち米・くるみ・黒ごま・蜂蜜・ネギ・生姜・杏仁・鶏肉、などです。

 

 

 

※ 秋全般におすすめの食材 ※

薬膳や漢方では、白色の食材は肺を潤し、酸味のある果物は体内の水分を保つとされています。秋には是非食べたい食材です。

 

=白い食材は潤いを与えてくれます=

ゆりね・白きくらげ・白ごま・はすの実・だいこん・レンコン・はちみつ・豆腐・杏仁・など

=秋は乾燥の季節です。水分補給は水分豊富な秋の酸味のある果物から摂りましょう=

さんざし・かりん・ざくろ・なし・ぶどう、りんご、などがあります。

 

《その他の秋に摂るとよい食材》

烏骨鶏・レバー・スッポン・玄米・くるみ・ピーナッツ・キウイフルーツなど

 

《喉を潤すお茶》

ミントティー・カモミールティー・菊花茶・タンポポ茶・緑茶(冷えが強い方は、ほうじ茶か中国の緑茶)

※お茶などを飲む際は、大きめのカップを使い、湿気を喉の奥まで吸い込むとよいでしょう。

 

《秋は避けたい食材》

秋は乾燥の季節なので、辛い物・味の濃い物・甘い物・脂っこい物の食べ過ぎは、熱になってしまい、乾燥を促進してしまうおそれがありますので、食べ過ぎには十分注意して下さい。

 

※尚、現在ご病気をお持ちの方は、担当医にご相談の上お食べ下さい。

 

最後までお読みになって頂きありがとうございました。

以上の点に注意して、芸術の秋・食欲の秋・読書の秋・運動の秋・・・・を満喫しましょう!!!