血の働き

 「血の生成と代謝」を読まれた方は、中医学と西洋医学とでは血に対しての概念が違う事がおわかり頂けたと思います。

しかし、概念が違うのはそれでけではなく、血の働きにも違いがあります。

中医学では血の働きには大きく2つあります。

1つは体や内臓に対する働きと、もう1つは精神活動に対する働きです。

前者は比較的理解しやすいと思いますが、後者は中医学独特の考えです。

 

①    《体に対する血の働き》

 『血』は体を構成する物質の1つで、全身に栄養分を行き渡らせ、全身を栄養し潤いを与えます。

ですから体内の『血』が十分にあれば、顔の色艶が良く、髪や肌も潤いや艶があります。又、視覚・聴覚・筋肉の運動も『血』により栄養されているところが大きいと考えています。更に、内臓である臓腑も『血』によって栄養されるており、『気』と『血』により各臓腑の働きは維持されています。

②    《精神活動に対する血の働き》

 中医学では『血』は精神活動を支える物質として捉えています。

ですから、血が足らなくなると、精神が不安定になったり、不眠・健忘・意識がハッキリしないといった症状が現れたりします。このことから、過度の精神的ストレスや思い悩みは、血を余分に消耗してしまいます。

 

 以上が代表的な『血』の働きです。特に②は中医学独特の考えですが、とても重要な働きとして位置づけられております。

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