胆の働き

 胆には、胆汁を貯蔵し、それを小腸に分泌するという働きがあります。

この働きは、西洋医学の胆嚢の働きとほぼ一致しますが、西洋医学と違う点は、この働きが先に紹介した、肝の疏泄作用により調節されるということです。

例えば、イライラや激怒すると、口の中が苦く感じた経験をお持ちの方もおられると思いますが、これはイライラなどのストレスが肝の疏泄作用に影響し、通常より過剰に胆汁が分泌された結果と考えます。

さらに、西洋医学の概念と全く違う点は、中医学では「胆主決断」(胆は決断をつかさどる)といい、胆には物事を決断したり、驚きや恐れといったものを排除するする働きがあります。

したがって、「胆主決断」の働きが正常であれば、正確な判断や、少しくらいの事では動じることはありません。逆に、胆の働きが弱まってしまうと、決断力が低下し、優柔不断になったり、物事に対して驚きやすくなったり、常にビクビクと怯えたりするようになってしまいます。これは、不眠や精神疾患の原因につながることもあります。

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